27歳女自分の気持ちに従って良かった

20代後半主婦です。
特に理由は無いけれど「なんだかこの人、嫌だな」という感覚を持ったことは誰しもあるかと思います。
私にも勿論ありました。

自分自身としては、普段から人のことをあれこれ考えたり、好きだ嫌いだと振り分けることはあまり無いタイプだと思っています。

でもこの時だけはどうしても嫌悪感を持ってしまっている自分がいました。

私が嫌悪感を抱いていた相手というのは、大学の頃の同じクラスの男の子です。

私の通っていた学部では、学籍番号や成績に関係なくランダムに振り分けられたクラスというものが存在しており、クラス単位での活動を求められる機会が多くありました。

様々な講義を共に受講したり、文化祭の出し物の準備に勤しんだりと、まさに「ザ・青春」というような活動を通して、入学して半年が経過する頃にはクラスの大半の子たちと打ち解けて話ができるほど仲良くなることができました。

クラスは40人ほどのメンバーで編成されていましたが、その中でもとりわけて目立つ人気者の男の子がいました。

その男の子というのが私が嫌悪感を抱いていた子なのです。

彼は成績も優秀で、とにかく優しくて人当たりが良く、同学年の生徒は勿論、上級生や下級生、教授までもが彼に信頼を置いていることは一目瞭然。

みんながみんな揃って彼のことを大好きだと言っていました。

私は、そんな彼のことがどうしても好きになれませんでした。

とても苦しかったです。

どうしてみんなは好きなのに、私は好きになれないのか。

人望を集める彼に嫉妬しているのか?

はたまた自分でも気づかぬ内に心のどこかで彼に恋をしてしまっているのではないか?

みんなが好きというものに自分だけが異を唱えることでマウンティングしようとしているだけなのでは?

と色々考え悩んだこともありました。

当時の学生の間で流行っていたSNS上でも、彼と友人関係でないのは学部全体で私をいれても3名ほど。ちなみに私以外の2名は普段から学校に来ていない人達。
数百人の学部の生徒が彼といわゆる「友人」なのです。

そんな状況でも頑なに彼を避けてしまっていましたし、絶対に仲良くなりたくない、という気持ちは膨らむ一方。

誰に対しても友好的な彼から話しかけられないように、彼と連絡先を交換したりSNS上でも関わることのないように、と心に決めていました。

時は経過し、大学を卒業する頃にはクラスでの活動も随分と少なくなっていたので、私は卒業する頃には彼のことはすっかり忘れてしまうほどになっていました。

彼の姿を見た覚えがあるのは卒業式くらいです。

その後、私は晴れて社会人になり、順風満帆とは言えずともそれなりに楽しい人生を送っているつもりです。

ある日、仕事から帰宅し、何の気なしにテレビをぼーっと見ていた時のことでした。

見覚えのある名前がテレビの画面上に映っていました。

キャスターの声色からして明らかに良いニュースではないことは一瞬にして分かりました。

名前の横には「容疑者」の3文字が。

「ん?」と思うや否や、老け込んだあの男の子の顔がバーンと画面いっぱいに映し出されたのです。

衝撃でした。

あまりに驚きすぎて身体が固まってしまい、テレビのスイッチを消すだけで精一杯でした。

その後すぐに吐き気が襲ってきましたが、同時に大きな安堵感に包まれている自分もいました。

私のあの感覚は決して間違っていなかったんだ、と。

どういうわけか説明のつかない気持ち、どうしても拭い切れない気持ちは、自分でもついぞんざいに扱ってしまったりということは頻繁にあると思います。

けれど私はこの経験がある以上、自分が感じた気持ちに正直に従う、ということは絶対的に忘れてはいけないことなのではないかと考えずにはいられないのです。